MobilePush SDK の導入後、Marketing Cloud からプッシュ通知 (アウトバウンド、アラート) を配信したときに、端末に通知が届かない事象に直面する場合があります。その場合、まず切り分けとして MobilePush Detail Extract Report (MobilePush 詳細抽出レポート) を利用することが有益です。本記事では、 MobilePush Detail Extract Report の結果から Push 通知が端末に届かない事象を調査するための切り分け方法、および関連するご質問について記載します。
プッシュ通知がデバイスに届かない事象が発生した場合、まずは「MobilePush詳細抽出レポート」を出力し、配信ステータスを確認することで問題の所在を切り分けます。このレポートには、ジョブおよびデバイスごとに MCE から Push Notification Service (PNS: APNs や FCM) へのリクエスト結果が記録されています。確認の結果、レポート内の Status カラムの値によって、以下の通り調査対象が異なります。
Success: MCE からの送信は成功しています。アプリの実装やデバイス設定を確認します。
Fail: PNS がリクエストを拒否しました。ServiceResponse カラムのエラー内容やアプリのプロビジョニングを確認します。
レコードなし: MCE が送信を抑制しました。オプトアウト状況や連絡先ごとのデバイスの紐づけを確認します。
[詳細]
各ステータスにおける詳細な切り分け手順は以下の通りです。
Success の場合Marketing Cloud から PNS へのリクエストは正常に完了しています。Marketing Cloud および PNS 側のログではこれ以上の追跡ができないため、受信側のデバイス設定およびアプリの実装に原因がある可能性が高い状態です。その場合は下記に従って確認を勧めます。
注意: アプリがアンインストールされている、または通知がオフになっている場合でも、PNS への反映タイミングにより一時的に Success が返されることがあります。
デバイス側の設定を確認する
通信環境(機内モード、社内 Wi-Fi の制限など)を確認します。
社内ネットワークや公衆 Wi-Fi の場合にネットワークの制限が行われる場合があるため、可能なら通信キャリアのネットワークにつないで確認します。
OS の設定(省電力モード、おやすみモード、通知の許可設定など)を確認します。
アプリの実装を確認する
通知受信時のハンドリング処理など、アプリの実装漏れにより通知が表示されないケースがあります。
サンプルアプリと実装を比較し、通知のテストを行います。
実装の確認方法は多岐にわたります。後述 Additional Resources の Integrate the MobilePush Android/iOS SDK を参照して、実装の見直しや、アプリのログを確認するなどして切り分けを行います。
Fail の場合PNS への送信試行時にエラーが発生しています。レポートの ServiceResponse カラムにプロバイダーからの応答が含まれます。詳細な意味は FCM や APNs の公式ドキュメントを参照してください。
また、弊社側でも参考として下記を案内しており、併せてご活用ください。
Reference: https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.mc_mp_mobilepush_message_detail_extract_errors.htm&type=5
また、よくあるエラーは下記の通りです。
無効なトークンを利用している
Requested entity was not found、NotRegistered (Android)、InvalidToken (iOS) などのメッセージは、送信に使用したデバイスのトークンが無効であることを示します。
ユーザーがアプリを削除した、または長期間利用していない、OSの設定で通知をオフにした場合などに発生します。
プロビジョニングの誤り(開発段階)
開発中に Fail が多発する場合、PNS 用の認証キーやサービスアカウントキーの設定(プロビジョニング)、ビルドの方法に誤りがある可能性があります。
※注意※ MCE では、FCM サービスアカウントキーや APNs 認証キーなどの設定を行います。MCE 側では入力された値を正として PNs へリクエストを行います。よってこれらの設定値が、実際にビルドされたアプリ側の署名や構成と正しく一致しているかどうかは、送信結果をもって判断します。そのため、サポートケースで弊社のサービスに登録された情報から、これらの整合性の確認は技術的にできかねます。
Fail が発生する場合は、MCE の設定(環境設定や Bundle ID 等)とアプリのビルド環境に食い違いがないか、上述の [Production/Development]の区分に誤りがないか、条件を変えながら試行錯誤的に切り分けを実施していただく必要があります。
以下のドキュメントに記載の前提条件や設定が途中で誤っているケースもお問い合わせでよくある事象のため、下記や各PNSの提供するTIPsなどをもとに、設定やビルドなどを再確認してください。
・Prerequisites
Marketing Cloud 側で送信対象から除外されていることが考えられます。主な要因は以下の通りです。
デバイスがオプトアウトになっている
対象デバイスが「オプトアウト」になっている場合、MCE 側で通知送信対象から除外されます。
Contact Builder などで対象デバイスのステータスが Opted-In であることを確認します。
連絡先キーに当該のデバイスIDが紐づいていない
Contact Builder で対象の連絡先キーを検索し、[MobilePush Data] タブなどでデバイス ID が正しく紐づいているか確認します。
配信時点での紐づけ状況が現在と異なる可能性がある点に注意してください。
スクリプトエラーが発生した
メッセージ内に AMPScript や SSJS を使用している場合、レンダリングでエラーが発生すると当該デバイスへの送信が控えられることがあります。MobilePush または Content Builder のプレビュー機能を使用し、当該のメッセージ・連絡先キーでスクリプトのエラーが発生しないか検証します。
デバイスステータスが Inactive の場合:
オプトイン・アウトとは別に、デバイス自体が無効(Inactive)になっている場合は送信されません。通常はすべてのデバイスが Active ですが、インポートアクティビティなどで意図的に変更されている場合、一部のデバイスがInactive になっている場合があります。この場合、配信から除外されます。
意図しないオプトアウト:
ユーザーが通知を許可しているにもかかわらず、システム上でオプトアウトとなる場合があります。これは特に APNs において認証キーの不一致などプロビジョニングの誤りにより、PNS からフィードバックを受けてシステムが自動的にオプトアウト処理を行うためです。
参考) インポートでデバイスを InActive に変更するケース
種々の要件によりますが、例えば当該連絡先の最新の 1 デバイスのみにのみ Push 通知を送信したい要件の場合などに、古いデバイスを InActive にするなどがあります。ただし連絡先・デバイスの管理が煩雑になるため、事前に動作検証を重ね、慎重に検討してください。
※よく問い合わせのある質問は下記 FAQ をあわせて参照してください。
・本レポートに記録されるデータに関してよくあるFAQ
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=005223889&type=1
本レポートを通して通知の配信状況を確認する場合、下記が参考になる場合があります。
https://developer.salesforce.com/docs/marketing/mobilepush/guide/troubleshoot-initialization-registration.html
・Integrate the MobilePush Android/iOS SDK
SDK の導入にあたってのアプリ上でのインテグレーションに関する記事
Android SDK
https://developer.salesforce.com/docs/marketing/mobilepush/guide/android-sdk-integration.html
iOS SDK
https://developer.salesforce.com/docs/marketing/mobilepush/guide/ios-sdk-integration.html
・Learning App
SDKの挙動や実装のサンプルの確認、およびアプリ固有の実装に依存する問題を切り分ける場合などに有効です。
https://developer.salesforce.com/docs/marketing/mobilepush/guide/additional-developer-resources.html
*なおサポート対象の製品ではございませんので、本アプリそのもの関する質問等はサポート外となりますが、本アプリで確認されたSDKの挙動に落とし込んだ質問や、本アプリの挙動を例として比較・言及いただくことは可能です。
・MobilePush ポイントまとめ :
MobilePushの基本的な動作や考慮事項などが記載されています。
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=000388835&type=1
・MobilePush 送信結果の主な確認方法とそれぞれの数値の違いについて (ジャーニービルダー編)
Journey Builder の管理画面では主に連絡先単位での表記となるため、本レポートとの数値の違いに混乱を生じるケースがありますので、もし Journey Builder を利用して送信しレポートの数値との違いを確認されたい場合はこちらが参考になります。
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=000396496&type=1
*MobilePush はアプリのプラットフォームや各プロバイダー、SDKの更新など頻繁に行われるため、最新の情報と上記が異なる場合がありますこと予めご了承ください。
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