SAP ドメインとプライベートドメインでルートドメインが異なる場合、SPF アラインメントは成立しません。これは、どのプライベートドメインから送信しても、エンベロープ From が常に bounce.[SAPドメイン] に固定されるためです。例えば、以下のような設定の MID があったとします。
SAP ドメイン: aaacompany.co.jp
プライベートドメイン: productx.co.jp や aaacompany.ne.jp
(注: ルートドメインが SAP ドメインと異なるプライベートドメインが対象です。 mail.aaacompany.co.jp などはルートが同一なので影響ありません)
この場合、どのドメインから送信してもエンベロープ From のドメインが bounce.aaacompany.co.jp となります。
不一致の例:
ヘッダー From のドメイン: productx.co.jp や aaacompany.ne.jp
エンベロープ From のドメイン: 常に bounce.aaacompany.co.jp
結果: ドメイン不一致によりSPF 自体はパスしても、 SPF アラインメント不一致となります
上記例の場合でも、DKIM のアラインメントには合格するため、通常は DMARC も合格すると考えられます。 しかしながら、一部のプロバイダーでは、SPF と DKIM の両方の整合性が到達性に影響する可能性があります。
この場合、バウンスの増加や開封・クリック率の減少を招くことがあります。もしご利用のMIDが上記のドメイン構成に該当する場合は、次の事象にご注意ください。
日々の運用(配信量・コンテンツ・迷惑メール対策など)を適切に行っているにもかかわらず、ある日を境に到達性やエンゲージメント指標が急激に低下した場合は、本記事で紹介する「マルチバウンスドメイン機能」の有効化を推奨します。ご希望の際は、後述の「FAQ Q3」の挙動をご確認いただき、必要な情報を添えてサポートまでお問い合わせください。
※ 到達性やエンゲージメント指標 (クリック, 開封など) の低下に関する調査依頼の対応可能範囲について
配信到達性やエンゲージメント(開封・クリック等)の低下は、コンテンツ内容やIPレピュテーションなど多岐にわたる要因に依存するため、サポートでの調査は原則として「送信元ドメイン認証の構成確認」が中心となります。
また近年、セキュリティソフト(Bot)による自動スキャンや、メーラーのプライバシー保護機能の影響により、ユーザーの実態に関わらず「開封」や「クリック」がシステム的に自動カウントされるケースが急増しています。特に開封率などの指標は実際の数値と乖離する可能性が高い点にも、あらかじめご留意ください。
マルチバウンスドメインの機能を有効化すると、先ほどの例のドメインをもつ当該の MID では挙動が以下のように変更されます。
有効化後の挙動:
ヘッダー Fromのドメイン: productx.co.jp
エンベロープ Fromのドメイン: bounce.productx.co.jp
ヘッダー From ドメイン: aaacompany.ne.jp
エンベロープ From ドメイン: bounce.aaacompany.ne.jp
結果: これにより、エンベロープ From とヘッダー From の整合が取れ、SPF のアラインメントにも合格しやすくなります。 (※ただし、セルフホストで DMARC の SPF アラインメントポリシー (aspf) が strict になっている場合などを除きます)
重要: 有効化後は、必ずテスト送信を行い、当該 MID における各プライベートドメインからの送信が想定通り DMARC に合格することを確認してください。
A) 前提として、bounce.[プライベートドメイン] に対する DNS レコードが正しく設定され、このドメインの MX および SPF レコードが解決可能であることが必須です。 これらが解決できない場合、SPF が失敗してメールがユーザーに到達しない、あるいはバウンスメールが Marketing Cloud に返送されないなどの重大な問題が発生します。依頼前に必ず DNS 設定をご確認ください。委任したドメインであれば正しく弊社に委任ができていること、セルフホストであればセットアップ時に提供されたレコードが正しく設定されている必要があります。(このとき既存の別サービスでも当該ドメインを利用している場合、別サービスに与える影響に関してはサポートケースで回答ができない内容となりますので、必要に応じてドメイン管理者に事前にご相談ください)
A) いいえ、必要ありません。一度有効化すれば、追加したプライベートドメインについても自動的に上記の挙動となります。
A) 以下の情報を添えて、サポートまでケース起票をお願いいたします。
有効化対象 MID:
対象プライベートドメイン: (確認用)
※有効化単位は MID ごとでありドメイン単位ではありませんが、設定確認のためドメインも添えていただけるとスムーズです。
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