本記事では、Marketing Cloud Engagement から送信するメールを Gmail の送信者ガイドラインに準拠させるためのポイントと、よくあるご質問について解説します。
結論として、Sender Authentication Package (SAP) や Private Domain (PD) を From ドメインとして利用する場合、Salesforce 側の技術的設定で対応可能な範囲においては Gmail のガイドラインに準拠しています。しかしながら、迷惑メール率のように送信されるコンテンツ自体に左右される要件もあります。そのため、Google 社の Postmaster Tools などを活用し、コンテンツの質、送信タイミング、宛先リストの健全性を継続的に確認して、メール配信における一般的なベストプラクティスを遵守することが重要です。
上記の通り SAP か PD のドメインを From ドメインとする限りでは、通常はこれらの要件を満たすものと考えられます。もし万が一、送信者ドメイン認証がパスしない場合や、ガイドラインの違反によるバウンスが見受けられた場合には、受信したメールソース (“原文を表示“ メニューから取得) をサンプルで 1-2 件程度取得し、確認された状況の詳細を添えて問い合わせてください。
あるいは受信が拒否されて受信メールを入手できない場合には、確認されたバウンスメッセージ (_bounce データビューの SMTPBounceReason)や JOBID, 購読者キーのサンプルを採取してください。
本件に関してよくある質問を FAQ 形式で記載します。
Q:SPF・DKIM・DMARCといった送信ドメイン認証は満たしていますか?
A: はい、SAP/PD のドメインをセットアップが完了していれば、SAP/PD のドメインを送信元とする限りこれらが通常はパスします。セルフホストの場合は弊社から提供した TXT レコードが正しく反映されていることが前提となります。
Q: Marketing Cloud Engagement から送信するメールの送信元 IP アドレスの逆引き DNS レコード(PTR レコード)は適切に設定されていますか?
A: はい、設定されています。
Q: Marketing Cloud Engagement から Gmail 宛に送信されるメールは、TLS 暗号化通信に対応していますか?
A: はい、対応しています。
Q: Postmaster Tools を利用するための TXT レコードの追記は可能ですか?(ドメイン委任時)
A: 可能です。設定が必要な TXT レコードを添えて問い合わせてください。
Q: Marketing Cloud Engagement で作成するメールコンテンツは、RFC 5322形式に準拠していますか?
A: 準拠していますが、ユーザーが作成する HTML コンテンツによっては、厳密には準拠しないケースも発生しえるものと考えられます。
Q: Google へのメール送信件数が5,000件に満たないため対応は不要と考えてよいか
A: 送信件数にかかわらずメール配信において重要なプラクティスであるため、遵守することをお勧めします。
Q: DMARC ポリシーの変更や rua/ruf を追加できますか (ドメイン委任時)
A: はい、Marketing Cloud Engagement 側で DNS を管理しているドメインをご利用の場合、DMARC レコードの変更が可能です。ご希望の DMARC レコードの値を添えて、弊社サポートまでお問い合わせください。なお、DMARC レコードの構文や最適な設定内容に関するご相談等は、Marketing Cloud Engagement のサポート範囲外となる場合があります。
Q: list-unsubscribe ヘッダーへの対応は、Marketing Cloud Engagement でどのように実現できますか?
A: 送信分類(Send Classification)で「Commercial」を選択した場合、List-Unsubscribe ヘッダーは自動的に付与されます(このヘッダーを意図的に削除することはできません)
Q: 送信分類が Transactional の場合に list-unsubscribe ヘッダーを付与したい
A: Transactional 送信として分類されるメールでは、List-Unsubscribeヘッダー(ワンクリック登録解除)の付与は必須ではないとされます。そのため、真にトランザクション目的(例:購入確認、パスワードリセットなど)で本送信分類を利用する場合、このヘッダーがなくても通常は支障がありません。
ただし、プロモーションやマーケティングを目的とした商用メールに対して、意図的に Transactional 送信分類を利用した場合は、Gmailの送信者ガイドラインに違反する可能性があります。そのため、送信分類をメールの目的に応じて正しく使い分けることが重要です。
Q: Gmailのガイドラインでは迷惑メール率を0.10%未満に維持することが推奨されていますが、Marketing Cloud Engagement 利用者は具体的にどのような対策を行うべきですか?
A: 迷惑メール率を低く維持するためには、一般的なメール配信のベストプラクティスを継続的に実践することが不可欠です。具体的には、以下のような対策が挙げられます。なお下記は例であり、Marketing Cloud からのメール送信に固有のものではないため、詳細なコンサルティング等はサポートケースでは対応ができない場合があります。
Q: Google Postmaster Tools 自体に関するご質問について
A: Google Postmaster Tools の設定方法、トラブルシューティング、および表示される数値の読み方などのご質問は、製作元の異なるツールの利用に関するお問い合わせとなるため、Salesforce Marketing Cloud Engagement サポートではお答えしかねますことをご了承ください。ご不明な点は、Google ヘルプセンターや各種 Web サイトをご参照いただくか、Google へ直接お問い合わせください。
Q: Marketing Cloud Engagement はARCヘッダーに対応していますか?
A: ARC (Authenticated Received Chain) ヘッダーは、主にメールが転送(メーリングリスト経由など)される際に、元の認証情報を正しく伝えるために利用されます。Marketing Cloud Engagement から直接送信されるメールの場合、転送ではないため送信時にARCヘッダーは付与していません。
Q: 送信したメールが受信者の迷惑メールフォルダに振り分けられたかどうかを、Marketing Cloud Engagement 上で確認できますか?
A: いいえ、Marketing Cloud Engagement には送信メールが受信者の迷惑メールフォルダに振り分けられたかを直接確認する機能はありません。これは受信側メールサーバーやメーラーの判定によるもので、送信者側からは基本的に知ることができません。Google Postmaster Toolsなどを活用し、ご自身の送信ドメインの評価や迷惑メール率を監視することをお勧めします。
Q: Gmail ガイドラインで推奨される迷惑メール率(0.10%未満、上限0.3%)を調べるのに、Marketing Cloud Engagement の「スパム苦情推移レポート」は利用できますか?
A: いいえ、Marketing Cloud Engagement の「スパム苦情推移レポート」は、各ISPからフィードバックループ(FBL)を通じて提供される「苦情(ユーザーが迷惑メールとして報告した数)」を集計したものですが、Gmail は Marketing Cloud Engagement が標準で利用する FBL の対象外です。そのため、このレポートで Gmail における迷惑メール率を正確に把握することはできません。Gmail の迷惑メール率は、Google Postmaster Tools をご利用ください。
Q: Gmail のメーラーに表示されることがある「メーリングリストへの登録解除」というリンクは、Marketing Cloud Engagement 側で表示を制御できますか?
A: いいえ、このリンクの表示は Gmail クライアント(メーラー)側の機能によるものであり、Marketing Cloud Engagement 側でその表示を直接制御することはできません。このリンクは、メールヘッダーに含まれる List-Unsubscribe 情報を参照して表示されると考えられますが、具体的な表示条件やロジックは Gmail によって決定されます。
Q: List-Unsubscribe ヘッダー経由での購読解除(メーラーの「ワンクリック解除」機能など)を明確に区別して特定できますか?
A: mailto: プロトコルを利用した List-Unsubscribe ヘッダー経由の解除は RMM (Reply Mail Management) による処理、HTTP POST プロトコルを利用したものは購読センター経由の処理として記録されます。このため List-Unsubscribe ヘッダーを経由した登録解除固有の区分がないため、明確に区別することはできません。本ヘッダーについては合わせて下記の情報も参照してください。
Marketing Cloud の「リスト-購読取り消し」ヘッダー
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