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Data Cloud:イベント時刻項目とレコード変更済み項目の理解

公開日: Nov 13, 2025
説明

Salesforce Data Cloud でデータストリームを作成する際、「イベント時刻項目(Event Time Field」と「レコード変更済み項目(Record Modified Field」は、データ更新の正確性と整合性を左右する重要な設定項目です。
これらの項目を正しく理解しないまま設定すると、データの重複や欠損といった問題を引き起こす可能性があります。

解決策

1.各項目の概要

項目名カテゴリ設定設定対象の例

イベント時刻項目(Event Time Field)

エンゲージメント必須作成日、イベント日など(将来変更されない日付)

レコード変更済み項目(Record Modified Field)

プロファイル/エンゲージメント/その他任意最終更新日(ファイル処理順序を管理するため)

 

ポイント
「イベント時刻項目」はデータの主キーに近い役割を担い、「レコード変更済み項目」は上書き更新の可否を判断します。

 

2.フル更新と更新/挿入での適用範囲

更新モードイベント時刻項目レコード変更済み項目
フル更新適用されない適用されない
更新/挿入適用される適用される

 

3.イベント時刻項目(Event Time Field)

3-1.役割と特徴

  • 役割:プライマリーキーに追加される「複合主キー」のようなイメージで機能します。
  • 対象データ型:DateTime または Date
  • カテゴリ:エンゲージメントのみ
  • 適用範囲:「更新/挿入」時にのみ有効(フル更新では無効)

3-2.システム項目 cdp_sys_PartitionDate との関係

選択したイベント時刻項目は、内部的に cdp_sys_PartitionDate へ記録されます。この項目は数式フィールドであり、DateTime の場合は次のように時刻が 00:00:00 に変換されます。この処理はタイムゾーン変換のに実行されるため、JSTの場合、後に 9 時間プラスされます。

 

変換の流れ(例)

処理段階備考
インポート時(UTC)

2025/1/20 19:00:00

イベント時刻項目
数式適用後(UTC)

2025/1/20 00:00:00

時分秒をリセット
タイムゾーン変換後(JST)

2025/1/20 09:00:00

cdp_sys_PartitionDate

3-3.動作ルール

  • 日付が一致する場合:既存レコードを上書き更新
  • 日付が異なる場合:同一プライマリーキーでも新しいレコードとして挿入

注意:
cdp_sys_PartitionDate の日付が少しでも異なると、新規レコードとして登録されます。(この点が複合主キーのようなイメージという所以です)

3-4.推奨設定

将来的に変更されない日付項目(例:作成日、イベント日、開封日、クリック日)を指定してください。
一度確定すると変更できないため、設定前に十分な検討が必要です。

 

4.レコード変更済み項目(Record Modified Field)

4-1.役割と特徴

「レコード変更済み項目」は、上書き更新の可否を判断するためのフィールドです。
インポート時に設定された値は ハイウォーターマーク(最大値)として管理されます。

項目内容
対象データ型DateTimeのみ(Dateは不可)
カテゴリプロファイル/エンゲージメント/その他
適用範囲更新/挿入時のみ有効

4-2.動作ルール

条件処理
既存データの日時より大きい上書き更新を実行
同一または小さい更新は無視される

 

例:既存の「レコード変更済み項目」が 2025/11/19 10:25:45 の場合

インポート値処理結果

2025/11/19 10:25:46 以上

上書き更新される

2025/11/19 10:25:45 以下

無視される

4-3.設定が不要なケース

  • データファイルの処理順序が常に保証されている場合
  • 順序が前後しても問題にならないデータの場合

4-4.推奨設定

データ処理の順序が乱れる可能性がある環境では、「レコード最終更新日」をレコード変更済み項目として設定することを推奨します。

 

5.イベント時刻項目とレコード変更済み項目間の処理の順番

  1. イベント時刻項目(上書き・挿入の判断)...優先されます
  2. レコード変更済み項目(上書きの可否判断)

イベント時刻項目が異なり、新しいレコードとして作成された場合は「レコード変更済み項目」は比較対象が存在しないため無視されます。

 

6.まとめ

項目主な役割動作条件推奨設定例
イベント時刻項目複合主キーとして上書き・挿入を制御日付一致で上書き、日付不一致で新規作成作成日、イベント日など
レコード変更済み項目上書き更新の可否を制御既存日時より大きい場合のみ更新最終更新日など

これらの項目を正しく設定することで、データの整合性を維持し、Data Cloud の処理精度とパフォーマンスを最適化できます。

 


寄稿者: 渡邊伸行 (Watanabe Nobuyuki) | Trailblazer Community Forum Ambassador

現在、株式会社エヌ・エイ・シー (FPT Japan Holdings Group) にて、Marketing Cloud Engagement のコンサルタントとして勤務。メール、LINE、アプリ PUSH を中心としたシナリオ設計、データ設計、キャンペーン運用、パーソナライズ施策の支援を通じて、Marketing Cloud Engagement を活用した顧客コミュニケーションの最適化に取り組んでいる。

 

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ナレッジ記事番号

005227575

 
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