本ドキュメントでは、Einstein 会話インサイト(ECI、別名:Conversation Insights)を使用する組織のデータの取り込み、処理、および保存について説明します。これらのデータの大部分は Salesforceプラットフォーム内で処理されるため、お客様自身でデータの処理場所や保存場所を管理することが可能です。
Salesforce プラットフォームは、Salesforce 製品を支える主要な基盤インフラストラクチャです。データを直接Salesforce プラットフォーム上に置くことで、より多くのツールへのアクセス、データ信頼性の向上、そしてプロセスの実行場所をより詳細に制御できる「Hyperforce」などのサービスの活用が可能になります。
データは Salesforce プラットフォーム上で取り込み、処理、および保存されますか?
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取り込み |
処理 |
保存 | |
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ベンダー経由のビデオ通話の書き起こし(Google Meet、Microsoft Teams、Zoom) |
No(Hyperforce上で動作しますが、地域は米国または欧州に限定されます) | Yes | Yes |
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Gong 経由のビデオ通話および対面会議の書き起こし | Yes | Yes | Yes |
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音声通話および手動でアップロードされたビデオ通話 |
Yes |
No(Salesforceプラットフォーム外のサービス) |
処理済みデータ: Yes 未加工のビデオおよびオーディオデータ: No(AWS S3に保存) |
Salesforce プラットフォーム上で直接取り込み、処理、または保存されないデータ(「非 Salesforce プラットフォームサービス」とも呼ばれます)は、Salesforce が所有し、かつ Salesforce プラットフォームと統合されているサービスやリポジトリに存在しますが、プラットフォームそのものの一部ではありません。これらには、Salesforce によって買収された企業や製品、あるいは Salesforce プラットフォームとは別に開発された製品などが含まれます。
*ビデオ通話の書き起こしデータの取り込みについては、Hyperforce 上の「非 Salesforce プラットフォームサービス」で取り込まれますが、お客様が選択可能な地理的場所(リージョン)は、現在のところ米国および欧州のみに限定されています。
Hyperforce とデータストレージ
Salesforce プラットフォーム上のデータは、Hyperforce で利用可能です。Hyperforce は、Salesforce の信頼されたクラウドプラットフォームであり、お客様自身がデータの処理および保存場所を管理することを可能にします。これは、Hyperforce のインフラがハードウェアではなくコードで構成されており、世界各地の場所でデータを処理できるためです。Hyperforce 上の組織では、お客様が使用しているサービスがその国の Hyperforce で提供されている限り、顧客データは組織が所在する国内に保存されます。
現在、Salesforce プラットフォーム上に構築された製品において、Hyperforce はオーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イスラエル、イタリア、日本、シンガポール、韓国、スウェーデン、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、英国(UK)、米国で利用可能です。また、Data 360 はオーストラリア、ブラジル、英国(イングランド)、ドイツ、インド、日本、米国で Hyperforce を利用できます。Hyperforce の詳細については、「Hyperforce について - 一般情報と FAQ」を参照してください。
現在、多くの ECI サービスが Hyperforce で利用可能ですが、以下の例外があります:
特に明記されていない限り、Salesforce プラットフォーム上で取り込み、処理、または保存されないデータ。
生成 AI 機能: 現在、ECI の生成 AI 機能についてはモデルのルーティングが設定されておらず、デフォルトのルーティングが使用されます。これには、「通話の要約(Call Summaries)」、「生成 AI インサイト(Generative Conversation Insights)」、「通話エクスプローラー(Call Explorer)」、「セールスシグナル(Sales Signals)」機能が含まれます。
ファーストパーティ・データセンター(データセンター内のSalesforce自社サーバー): これらは Hyperforce 上にはありません。
Salesforce は、2026年5月より順次、より多くの ECI データを Salesforce プラットフォームへ移行します。本ドキュメントに記載されているすべての情報は、データ移行後のデータ保存および処理の詳細を網羅しています。Spring '26(2026年春リリース)以降に ECI を有効化したすべての組織は、すでにデータが Salesforce プラットフォーム上に存在しています。
ECI 移行全般に関する詳細については、「Einstein 会話インサイトのデータが Salesforce Platform に移行」を参照してください。
アーティファクト別のデータストレージ
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アーティファクト |
生成元 |
保存先 |
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通話構造 (Call Structure) |
Salesforce プラットフォーム |
VideoCallRecordingStructure オブジェクト |
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キーワードインサイト (Keyword Insights) |
Salesforce プラットフォーム、および音声・手動アップロード動画用の非 Salesforce プラットフォームサービス |
VideoCallInsight, VoiceCallInsight オブジェクト |
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生成 AI インサイト (Generative Insights) |
Salesforce プラットフォーム + LLM ゲートウェイ |
VideoCallInsight, VoiceCallInsight オブジェクト |
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通話録音 (未加工ファイル) |
ビデオまたは音声プロバイダー |
非 Salesforce プラットフォームサービス / AWS S3(新経路)(音声およびビデオの手動アップロード) |
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音声通話 / ビデオ通話レコード |
ECIクローラー / Salesforce プラットフォーム |
Salesforce プラットフォーム (変更なし) |
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Data 360 同期 |
D360 Singularity (CRMコネクター) |
Data 360 DLOs → DMOs |
ECI 既存オブジェクト
これらのオブジェクトは、Spring ’26 以前から Salesforce プラットフォームに存在していました。
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エンティティ |
説明 |
備考 |
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Service Cloud Voice、Sales Dialer、またはその他のサポートされている音声コネクターでの通話を表します。Service Cloud Voice の場合、電話または VoIP(Voice over Internet Protocol)通話が対象となります。 |
親通話レコード | |
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ビデオ通話を表します。1つの VideoCall レコードは、複数の VideoCallRecording レコードに関連付けることができます。 |
親通話レコード | |
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Service Cloud Voice および Sales Dialer における通話録音を表します。 |
録音メタデータ | |
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ビデオ録画、音声録音、書き起こし(トランスクリプト)など、ビデオ通話からの録音・録画データを表します。 |
録音メタデータ | |
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ビデオ通話の参加者を表します。参加者情報は、ビデオ通話プロバイダー(例:Zoom)または Salesforce から取得されます。 |
参加者メタデータ |
Salesforce プラットフォーム上の新しい ECI 関連オブジェクト
これらのオブジェクトは新しく利用可能になったもので、これまでの「非 Salesforce プラットフォームサービス」によるストレージに代わるものです。
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エンティティ |
説明 |
備考 |
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音声通話に関連付けられた音声通話インサイトデータを表します。各レコードは、通話内の特定の録音または書き起こし(トランスクリプト)のインサイトを表します。 |
音声通話ごとのインサイト結果 | |
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音声通話インサイトから派生した、推奨されるフォローアップアクションを表します。競合他社の言及、価格の議論、反論などの特定の場面に対応するための、メール送信、タスク作成、会議設定などの推奨ステップを管理します。 |
音声通話インサイトに関連付けられたアクション | |
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インサイトのキーワード、キーワードに関連付けられたインサイトの場面、およびキーワードの出現回数を含む、音声通話インサイトの理由を表します。 |
音声通話インサイトに関連付けられた理由 | |
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ビデオ通話に関連付けられたビデオ通話インサイトデータを表します。各レコードは、通話内の特定の録音または書き起こし(トランスクリプト)のインサイトを表します。 |
ビデオ通話ごとのインサイト結果 | |
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ビデオ通話インサイトから派生した、推奨されるフォローアップアクションを表します。メール送信、タスク作成、会議設定など、特定の場面(競合への言及や価格交渉など)に対応する推奨ステップを管理します。 |
ビデオ通話インサイトに関連付けられたアクション | |
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インサイトのキーワード、インサイトの場面、キーワードの出現回数を含む、ビデオ通話インサイトの理由を表します。 |
ビデオ通話インサイトに関連付けられた理由 |
生成の仕組み:
非生成 AI インサイト(キーワード、予測型): 非 Salesforce プラットフォームサービスによって生成され、CIInsightsEvent プラットフォームイベント経由で Salesforce プラットフォームへ送信されます。その後、新しい非同期 MQ ハンドラーが Salesforce プラットフォームのエンティティに直接書き込みます。
生成 AI インサイト(LLM ベース): 書き起こし(トランスクリプト)が Salesforce プラットフォームのデータベースに保存された時点でトリガーされます。ハンドラーがプラットフォームから書き起こしとインサイトのメタデータを取得し、LLM ゲートウェイを呼び出した後、結果をプラットフォームのインサイトエンティティに直接書き戻します。
移行済みの ECI 組織では、インサイトは「非 Salesforce プラットフォーム」の Cassandra(riq2 / signals keyspace)には保存されなくなります。
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エンティティ |
説明 |
備考 |
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プラットフォーム・エンティティ (Core) |
発話セグメント、話す/聞く比率、話者のマッピング |
生成の仕組み: 非 Salesforce プラットフォームサービスが CICallStructureEvent を発行し、それをコア(Core)が受信して MQ(メッセージキュー)に登録します。MQ ハンドラーは、通話構造の JSON データ(発話セグメント、オフセット、会話比率、話者と CRM レコードのマッピング)をコアに書き込みます。
移行済みの ECI 組織では、通話構造データは「非 Salesforce プラットフォーム」の S3 や Cassandra には保存されなくなります。
音声通話および手動でアップロードされたビデオ通話を除き、通話録音データは Salesforce 側では保存されません。これらの通話録音(音声通話の MP3 およびビデオ通話の MP4 ファイル)は、引き続き「非 Salesforce プラットフォームサービス(AWS S3)」に保存されますが、移行済みの ECI 組織では保存パスが以下のように変更されています。
新しいパス: {bucket}/[sfdc]/org/{orgId}/VOICE/<callStartDatetime>/<sfdc_call_id>/recording/
従来のパスは salesforce_owner_id と非 Salesforce プラットフォームサービスの「イベントキー」でエンコードされており、外部キーとイベントキーのマッピングテーブルに依存していました。新しいパスでは Salesforce Call ID を直接使用するため、その依存関係が解消されています。
通話録音(生ファイル)は、Salesforce プラットフォーム内には保存されません。 Salesforce 側で保存する未加工の録音ファイルについては、引き続き S3 がストレージレイヤーとなります。
ほとんどのベンダーベースの通話(Zoom等)は、ベンダー側のストレージから直接ストリーミングされます。
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